競馬の馬はかわいそう、という声が聞こえることは少なくありません。

たしかに、競走馬は人の手で競馬場で走るためだけに生産されていますが、鶏、牛、豚などの日本でも代表的な家畜も同様、人間の役に立つために人間の手によって生産されています。

そういった意味では競馬の馬も食用ではないとはいえ、家畜と言えるでしょう。

とはいえ、現代の日本社会では家畜と愛玩動物以外の生物は共存できないような設計になっています。野良犬がいれば保健所につれていかれ、山から熊がおりてくれば騒動となります。

馬を走るためだけに生産することがかわいそうなのではなく、人間のためにならない生物を全て排除していく事こそがすべての生物にとってかわいそう、という点なら納得行くことがありますが、実際に走りたくない馬は鞭を打とうが走りませんし、競馬場で人前に出る馬はそれなりの闘争心を持ち、自分の意志で前をはしる馬を抜かしてゴールすることを理解しています。

たしかに、メディアなどで大々的に宣伝をするには少し残酷だと言う見方は出来なくはないですが、彼ら彼女らは骨折によって身動きがとれなくなると死んでしまうような生物ですので、走らせるということに関してはかわいそうという意識は特にもたなくてもよいでしょう。

それでも馬がかわいそう、という方はぜひその他の生物についても意識してみてください。

身動きも取れないほど厩舎に押し込められ、ようやく外に出たと思ったら屠殺場な家畜、卵を産んでは出荷させられる家畜、大地に根を張り悠々と暮らすはずが狭いプランターに植えられ時期がくれば刈り取られ家屋に飾られる切り花などなど・・・

人の為すことの中で、他の生物にとってかわいそうでない生き方がどれだけ出来るでしょうか？

衣食住と趣味の競馬を比べるなと言われるかもしれませんが、それでも懸命に走ってくれる競走馬たちが鞭打たれ嫌々走っているのだとは思いたくないものです。

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